これまでのご経歴と、現在担当している業務について教えてください。
- 電機メーカーの研究職として、組合せ最適化や画像解析・認識のアルゴリズム開発から、システムオンチップ向けミドルウェア開発まで長く担当してきました。
その後アグリテックベンチャーへ移り、作物生育シミュレーションや状態分析の画像認識、それらをサービス化するWebアプリ開発を、開発責任者として自ら手を動かしながら推進。研究から事業化までを一通り経験しました。
ウィジェットには昨年から参加し、現在はAI技術を用いて、顧客ヒアリング・要件整理からPoC提案・開発、システム設計・実装、改善提案までを一貫して担当しています。
現在携わっているプロジェクトでは、どのような技術課題がありますか?
- AI開発では、モデルの精度を追求するだけでは不十分で、経済合理性まで含めた実現性が問われる点が難しいところです。
どれほど高精度なモデルでも、運用コストや開発工数に対してビジネス効果が見合わなければ、現場に定着しません。求められる精度の水準を見極めたうえで、推論コスト・インフラ・運用負荷をどう設計するか、技術判断とビジネス判断を同じテーブルで考える必要があり、そこが実務としての難しさであり面白さでもあります。
プロジェクトの中で「難しかった問題」と、それをどう解決したかを教えてください。
- 最も難しいのは、顧客のドメイン知識をどこまで深く理解できるかという点です。
業界ごとに「許容できる誤検出の意味」や「成果と見なされる水準」が大きく異なり、それを知らずに正しい技術判断はできません。
さらに、どの精度で「合格」とするか、その性能をどれだけのコストで実現するか、この見極めには明確な正解がなく、現場と対話を重ねながらバランス点を探っていくことになります。
技術力以上に、業務を理解しようとする姿勢が問われる場面だと感じています。
技術選定やアーキテクチャ設計において、どの程度裁量がありますか?
- 技術選定は、エンジニア側から提案するケースが多いです。
案件ごとに顧客の業務特性、データの性質、運用体制、予算感が異なるため、「この案件にはこの構成が合う」という判断はエンジニアに委ねられる場面が多くあります。
当然、提案の根拠は問われますし、運用後まで含めて責任を持つ前提です。だからこそ、自分の技術選定がそのまま顧客価値につながる手応えがあります。
AI開発において、特に重要だと考えている視点や姿勢を教えてください。
- AIはあくまで道具であり、「AIを使うこと」自体には価値はない。これが、私が一番大切にしている視点です。
重要なのは、その道具を使って何を生み出すか。顧客の業務や生活に、どんな変化を起こせるか。
時には「この課題はAIを使わない方が良い」という結論に至ることもあります。
技術への思い入れと、価値創出の冷静な見極。その両方を持つことが、AIエンジニアとして長く価値を発揮するための条件だと考えています。
ウィジェットで働くエンジニアには、どんな人が合うと思いますか?
- 「AI技術を使いたい」よりも、「AI技術で顧客の価値を高めたい」という志向の方が合っていると思います。
AIはあくまで手段であり、目的は顧客の課題解決、その先の事業や社会への貢献です。
技術提案の場面でも、技術的な目新しさよりも、現実にどう効くのかを冷静に語れる人。技術と顧客価値の両方を行き来して考えられる人とは、特に良い仕事ができると感じています。
今後チャレンジしていきたい技術領域やテーマを教えてください。
- LLMの登場でコンピュータが自然言語を扱えるようになり、人間の思考を模擬するAIエージェントが急速に発展しています。
マルチモーダル情報による判断に、膨大な情報を踏まえた判断という軸が重なり、これまで難しかった分野にもAIの適用が広がろうとしています。今は明らかに大きな転換点だと感じています。
この潮流のなかで、新しい技術を追うこと自体ではなく、それらを組み合わせて生まれる新しい価値の形を、自分の手で示していきたいと考えています。
最後に、応募を検討している方へメッセージをお願いします。
- ウィジェットは、AI技術を「使うこと」ではなく「価値を生むこと」に本気で向き合える場所です。
業界も工程も幅広く、課題整理や技術提案の段階から関われる機会が多いため、これまで研究・開発・事業化など複数の立場を経験してきた方ほど、その蓄積が活きる環境だと思います。
「自分の技術で、社会に何を残せるか」を考えたい方にとって、挑みがいのある場になるはずです。少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ気軽にお話を聞きに来てください。